心理学 psychology 2003 12 3
「なぜか、似ている」
昨日、新興市場のある銘柄について、
分足チャートで、一日の株価の動きを見たら、
日経平均株価の分足チャートの動きと似ていました。
しかし、この銘柄は、内需系の銘柄で、
日経平均株価は、ハイテク指数に近いのです。
だから、似ているのは、おかしいのです。
本来、投資家は、合理的な行動を取るはずです。
しかし、日経平均株価が下げると、
新興市場を手がけている投資家も弱気になり、
企業の業績に関係なく、株価が下がります。
合理的な行動を取るはずの投資家でも、心理的な影響が大きいのです。
経済学に、心理学的な手法を取り入れないと、
経済学が、「現実離れ」をしてしまいます。
それにしても、気になるのは、
春先は、日経平均株価が、どれほど、安値をつけても、
日経平均株価を、「見ざる、聞かざる、言わざる」という具合にして、
新興市場の銘柄や材料株は、非常に元気だった。
しかし、いつの間にか、こういう銘柄までも、
日経平均株価に連動するようになってしまいました。
今までの投資家が変質してしまったのか、
あるいは、マニュアルどおりにしか動かない「マニュアル投資家」が増えたのか。
いずれにせよ、全部の銘柄が、日経平均株価と連動するようになると、
危険な傾向である。
こういう相場は、不安定である。
これは、「横並び」という日本人の特徴なのか。
状況を自分で判断しないで、与えられた環境で自分を判断する。
主体性のない投資家が多いかもしれない。
人間は暗示にかかりやすく、一度、暗示にかかると、
その暗示から、簡単に抜け出せないと、心理学の本に書いてありますが、
今の株式市場も、まさに、その通りとなっています。
経済心理説でしょうか。
人間は、ロボットと違って、「感情」や「気分」があります。
こういうものに、よく左右されます。
人間を、合理的行動をするものと考えることは、
人間を、コンピューター制御されたロボットと同じと考えていることに等しい。
将来、人間型ロボットが、大量に作られて、社会全般に行き渡れば、
今の経済学の分析は、正しくなる。